日本の二酸化炭素排出量の推定と輸入に内包された二酸化炭素の分析 5

日本の輸入に内包された温室効果ガス排出量(2011年)

要因分解分析

要因分解分析は、ある変数の変化をいくつかの要因に分けて分析するものである。本論文では、1995年から2011年の日本の輸入に内包される二酸化炭素排出量の変化の要因を分析する。

要因分解分析は、分解の方法が無数にあり、それぞれが異なる結果を示す。例えば、変化の要因をn個に分けた場合、分解の方法はn!個あることになる。また、交差項を含めればその数はさらに増える。そこで、本論文では、この問題への対応として、Dietzenbacher and Los, (1998)により提唱された、両極の分解と呼ばれる方法を用いた1

本論文では、輸入に内包される二酸化炭素排出量の変化(ΔEm)の要因を、環境技術の変化を表す排出係数効果(ΔS)、産業技術の変化を表すレオンチェフ逆行列効果(ΔL)、最終消費の内容の変化を表す構造効果(Δmc)、及び総輸入量の変化を表す総量効果(Δmr)の4つに分けた。

表2(100万トン)

表2は、要因分解分析の結果を示している。注目するべきは負の排出係数効果で、マイナス5億1600万トンに及んでいる。これは、2011年の輸入に内包される二酸化炭素排出量を超えている。

図3(100万トン)

図3は、1995年時点で日本の輸入に内包される二酸化炭素排出量に占める上位10カ国の変化を示したものである。中国の負の排出係数効果が非常に大きいことが見て取れる。これは、国際社会が気候変動問題に強調して取り組む意義を示していると言える。

図4(100万トン)

図4は、日本の輸入に内包される二酸化炭素排出量の変化の要因を、17の産業部門別に見たものである。Petroleum, chemicals & non-metallic mineral products部門やElectricity, gas & water部門の負の排出係数効果が非常に大きいことが見て取れる。

参考文献

本稿は、当ブログの運営者が2021年に提出した修士論文を和訳、一部訂正を加えたものです。詳しい情報をお求めの方は“お問い合せ”よりご連絡ください。