さすがに「アメリカの外国人差別はトランプのせい」は聞き飽きた

2021年2月26日のテレビ東京「モーニングサテライト」で、「トランプ元大統領がアメリカの分断を深めた」と、かつて何度も聞いた主張を久しぶりに聞いた。確かに、トランプ大統領は、過激な発言を繰り返した。任期の最後には、みなさま周知の通り、暴動を間接的に扇動した。評判が悪いのは当然だが、“人種間”の分断を広げてはいない。

「トランプが過激な発言を繰り返したのでアメリカの分断が広がる」というのは、非常に表面的な視点であって浅はかである。実際、アメリカの分断を人種間で広げているのは、民主党の“選挙戦略”である。これは、以前紹介した渡瀬裕哉著『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図』に詳しい。

知識人(民主党支持者)がアイデンティティの分断を作り出す際、最も利用する切り口は「属性ラベリング」である。例えば、所得、人種、学歴、性別など、客観的に利用可能なデータを基に人間を区分する方法だ。(中略)

属性ラベリングによって、人間社会を複数グループに分断した上で、それらの違いを再否定することにより、自らの発見を解消するアクションを正当化する主張をして見せるのだ。

みなさまも、アイデンティティポリティクスという言葉を聞いたことがあるだろう。左派のお株と言っても過言ではない。これが人種間の分断を広げているのだ。ちなみに、米国共和党も、民主党とは“別の”分断を広げている。詳細は上述の書籍を参照いただきたい。いまや、トランプ大統領の評判が悪いのは当然のことである。しかし、だからと言って本質を見失ってはいけないと思う。