
はじめに
以前、このブログで、ヴィーガンを取り入れても、温室効果ガス排出量はほとんど減らないということを推計結果とともに示した。そこで今回は、もう一つの定説である水の使用量の減少について考えていきたい。今回計算するのは、いわゆるウォーターフットプリントと呼ばれるものである。今回も前回同様、日本人が消費する肉の生産のために“世界中で”使用された淡水の量を推計した。
分析手法及びデータ
本推計で使用したモデルは、多地域間産業連関モデルと呼ばれものである。つまり、使用したモデルは前回の推計と同じである。非常に便利なのだ。詳しい手法について知りたい方は、Ali et al., (2018)をご覧いただきたい。使用したデータはEXIOBASE 3で、2011年を対象に分析した2。推計には、green waterとblue waterを含んでいる。
結果

図1は、我が国のウォーターフットプリントである。淡水の使用量の合計は、2,220億0,210万立方メートルである。その中で、食肉が占めるのはわずか3.3%、72億8,700万立方メートルに過ぎない。
結論

ヴィーガンを取り入れた場合、いうまでもなく植物性食品で代替しなくていけない。推計結果を見る限り、ヴィーガンを取り入れても淡水の使用量はほとんど減らないと思われる。